7月の川柳教室 2004.7.20
席題「打つ」 ★講師の指導
突然の訃報に水を打つ座席 節子
★不意の訃報に座席は水を打ったよう
暑さぼけ打ち水したいこの頭 靖国
食べたいなサンプル見つめお凸打つ 広子
★食べたいなサンプル見つめおでこ打つ
かしわ手を打ちて今日も始りぬ 三四子
★かしわ手を打って一日始まりぬ
老骨にむち打ち今日もがんばろう 幸代
時打ちの人形見たさに公園へ 幸代
★時打ちの人形見たさ公園へ
人生は打ちつ打たれつつよくなる 紀代
★人生は打って打たれてつよくなる
席題「蛍」 ★講師の指導
淋しくて灯りを消せば蛍とぶ 節子
蛍かなそっとさし出す手に灯り 〃
甘い水そんな言葉にのりません 靖国
都会では蛍嫌われベランダへ 〃
灯り消し蚊帳に放ったホタルかな 広子
身を焦がす蛍の光友の恋 〃
★身を焦がす蛍となった友の恋
ベランダで煙草くゆらす蛍族 邦江
月末は蛍のともしび我が家計 〃
★月末の家計ほたる火ほど侘し
かや吊ってホタルはなして嬉しいな 三四子
蛍こいあぜ道わたる親子かな 〃
かやの中蛍はなした父想う 幸代
幼な子の髪を思わす蛍草 〃
身を縮め紫煙くゆらす蛍族 紀代
旅の宿養殖ホタル乱れ舞い 〃
席題「光る」 ★講師の指導
夏の夜かすか光る遠花火 幸代
幼犬の光る瞳は青と黒 邦江
音もなくいなずま遠く光ってる 幸代
★音もなくいなずま遠く光っている
光る波夫と並んだジェット船 三四子
光るなか肩たたきされはにかみぬ 〃
★結婚式で肩たたきされはにかみぬ
1点 覗き見の鐘が光る歯が光る 広子
2点 魚釣り光るウロコに心湧く 邦江
★魚釣り光るウロコに心沸く
2点 光らせてあげたい人はもういない 広子
2点 光ることなくてよいのだゆっくりと 節子
3点 七光透明だから今がある 靖国
★七光り透明だから今がある
3点 闇の中光りふたたびイラクの子 紀代
4点 苦労した母の生きざま光ってる 広子
★苦労した母の生きざま光っている
5点 同窓会光る頭をくらべあう 靖国
10点 一言をぐっと抑えて友光る 紀代