11月の川柳教室  2004.11.16
                              ☆講師の指導
席題「窓」
 嵐越え青空仰ぐ窓際で          蓉子
 閉ざされた心の窓をそっと開け     かをる
 肌寒をほっこりさせる窓あかり      〃
 窓越しに公園の子ら眺めてる      文子
   ☆窓越しに公園の子ら眺めている (い抜き、ら抜き言葉は望ましくない)
 窓のそと明石大橋悦にいる       三四子
   ☆窓のそと明石大橋すぐそこに
 よくつまるサッシをがっと外にでる    三四子
   ☆錆びついたサッシをがっと開けて出る
 過ぎ去りてガラス戸洗いピッカピカ   広子
   ☆嵐過ぎガラス戸洗うピカピカに
 嵐去り窓に残した塩の精         紀代
 病室の窓眺めつつ家恋し         幸代
 この空の続く彼方の空想う         〃
 窓越しにすずめさえずる姿見る      山里節子
   ☆窓越しのすずめに心なごまされ
 窓越しに身振りを添えて愛告げる    靖国
 窓のない暗い部屋です一人です     橋本節子
   ☆窓のない暗い部屋ですひとりです
 窓際は十時と三時眠くなり         宏之
 友の声閉ざされた窓すっと開く       昭子

兼題「栗」
 松茸に栗ご飯食う夢の中         靖国
 栗きんとん畑の出来が味決める      〃
 芝栗を玄関に活け客を待つ        昭子
 笑い栗むいてよろこぶ孫の可愛い     〃
   ☆笑い栗むいて喜ぶ孫可愛い
 どんぐりは熊にまかせて共生へ      宏之
 栗ごはんおこげもできて郷里の味     〃
 イガ栗をお手玉にするガマン会      橋本節子
 栗に問うイガに囲まれ無事ですか      〃
 栗の実は山の小熊にあげましょう     文子
 秋の夕気合を入れて栗ごはん        〃
 恰好つけマロングラッセ手みやげに    広子
 毬を気によちよち歩き栗ひろい        〃
 おさな子とドングリコロコロ秋の道      かをる
   ☆ドングリコロコロおさな子と秋の道
 飯よりも栗が多い至福の時           〃
   ☆飯よりも栗が多いという至福
 かち栗へ私の明日をかけた祖母      紀代
 すすき活け栗のいが添え秋深し       〃
   ☆すすき活け栗のいが添え夜は長し
 栗御飯用意する日は腰をすえ        三四子
 ぽんと入れさっとできたよ召し上がれ     〃
   ☆ぽんと入れさっと栗飯召し上がれ
 甘栗を片手にテレビ至福の時         蓉子
 帰省の子喜ぶ顔に栗をむく           〃
 紅葉の合間に落ちた栗のつや        山里節子
 囲炉裏ばた取り残されて栗をやく       幸代
 いが栗の頭めったに見なくなり         〃
   ☆この頃はいがぐり頭とんと見ず

兼題「飛ぶ」
    夕暮れに群れ作り飛ぶ何に鳥か       山里節子
       ☆夕暮れに群れ飛ぶ鳥の名は知らず
    おしゃれにかぶった帽子風に舞う       広子
       ☆おしゃれして被った帽子風に舞う
    干し柿に飛び来る小鳥猫が追う        昭子
    五段から飛びおりて見る一年生        広子
    あっしまったラケットの横ボール飛ぶ      かをる
    道具より腕で飛ばそうゴルフ球         幸代
    ジャンボ飛び空気の力思い知る        宏之
    カサカサと木の葉散り飛ぶ庭せまし      昭子
    振り返る間もなく月日飛び去って        紀代
 1点 見より飛びたい孫へ手を添える        〃
 〃  合格がきて飛びあがる我ながら        三四子
       ☆合格に我がことながら飛び上がる
 〃  飛び石をたたく思いで生きてきた         〃
 〃  ふわふわと飛んでゆきたい虹の橋      橋本節子
 〃  不意の風飛んだ帽子を追いかけて        〃
 2点 遠くまで飛ばしてみたい竹とんぼ        山里節子
 〃  あったよね飛んでる女(ひと)という言葉    文子
 〃  墓参り子の飛び立ちをつい願い         宏之
 〃  始球式思わぬ方にボール飛び         幸代
 3点 今日もまた飛びくる鳥におはようと       文子
 5点 くやしさをバネにも一度飛んでみる       蓉子
 7点 飛ぶ力ない蚊を見ても強く打ち          〃
 8点 案内状貼るか昔へ想い飛ぶ           かをる
 〃  飛び入りが話題をさらいお開きに        靖国
 〃  飛び乗ったバスの行き先不安です        〃