5月の川柳教室(2005年5月17日)
                
席題「響く」
 響くおと事故の重さにふるえくる     山 節子
   ☆響くおと事故の重さにまだ震え
 閑けさを破る鐘楼の音(ね)響く      昭子
   ☆鐘楼の音に閑けさを破られる
 喚声にグランドゴルフ響く空        アイ子
 響いても打っても微かサビ頭       博美
 子供らの挨拶笑顔響け今         美恵子
 孫が打つ響くたいこの心地よさ      みさ子
   ☆孫の打つたいこの響き心地良く
 お祭りのサンバが響く五月晴れ      敦子
 若僧の読経の響き心地良く        文子
 カラオケの音響だけがリズミカル     宏之
 ステレオの響きに乗せてはずむ胸    三四子
 おちおちと眠れぬ我が家線路ぎわ    広子
 響く音聞いて昔を振り返る         邦江
 終わらない青空響く鯉の群れ       橋 節子
 うんそうね仲良き友と響きあう      やえこ
 叱られて胸に響かぬ歳になり       昌弘
 隣人はバイク響かせご出勤        悦子
 梵鐘の響き静かに受け入れて      芳子
 つらい時心に響く母の声          幸代
 「頑張るな」心に響く師の教え       紀代
 
兼題「流れる」
 流されて風の吹くまま花いかだ      橋 節子
 幸せの星を探して流れ旅          〃
 流される中で少しの意地を見せ      宏之
 流行の周回戻りじっと待ち          〃
 流し目で見られて気づく胸のうち     昌弘
 おれ流は自問自答の末に決め       〃
   ☆オレ流は自問自答の末に決め
 おーい雲今日はどこまで流れるの    博美
 笹舟に乗って流れる恋の川         〃
 運命に流され生きた努力した       三四子
 台風の流木も生き美術品          〃
 世の流れついていけずもまあいいさ   恵美子
   ☆世の流れ乗り遅れてもまあいいさ
 世の中の流れが早くマイペース      〃
   ☆世の流れなんてかまわずマイペース
 僕の夢かなえてほしい流れ星       広子
 親ゆずり流れに乗れぬ不器用さ      〃
 聞き流すゆとりを少し付けました      敦子
   ☆聞き流す術をすこうし付けました
 流されてまた悔やんでいるお付き合い  〃
   ☆流されてまた悔やみますお付き合い
 流れ星願いをこめて君を待つ       みさ子
 奴だこふらり流れて電柱に         〃
   ☆奴だこふらり流れて電線に
 あてもなく人の流れに添うてみる     芳子
 蟠り水に流して窓を拭く           〃
 逆らわず時と人とに流されて        悦子
 どれ程の泪流すか列車事故        〃
 テレビ見て流れる泪おさえかね      幸代
 老二人流れるままに今日を生き      〃
   ☆老いふたり流れるままに今日を生き
 どの駅も流れ交う人不安そう       紀代
   ☆どの駅も人の流れの不安そう
 経ながれホケキョ聴きほれ義母(はは)しのぶ 〃
   ☆経の声ウグイスの声義母しのぶ
 願いごとさっと飲みこむ流れ星      昭子
 道迷い人の流れに身をまかす       〃
   ☆迷い道人の流れに身をまかす
 脚線美流れるような夢二の絵      アイ子
 紛糾の流れる涙浴びせられ        〃
 風そよぎほのかな香りフジの花     邦江
   ☆風そよぎ藤の香りを連れてくる
 霧流れ遠くに望む雪の山          〃
   ☆霧流れ雪山がまた遠くなる
 春うらら流れる水に花のせて       やえこ
 川柳が流れる日々に棹をさす       〃
 流れ雲いつ消えるのか人生も      山 節子
 流し目をあなたに示すラブコール     〃
   ☆流し目はあなたに示すラブコール
 何もかも水に流して鯉のぼり       文子
 逆風をチャンスだと言い踏んばって    〃
 流ちょうな言葉が心引きつける      靖国
 戦争へ流れる政治胸痛む         〃

兼題「緑」 (互選)
    観音の頭上はるか深緑        昭子
      ☆観音の頭上はるかに深みどり
    目の保養山並み緑バスは行く    邦江
      ☆バスは行く緑やさしい山並みを
    信号機緑を青で進ませる       昌弘
    緑ある園をめぐれば幸ひろう     三四子
1点  山おくの緑もとめて見いやし      山 節子
      ☆山奥の緑もとめて身を癒す
〃   モクモクと緑も燃え立ち元気出る   博美
2点  新緑を愛でながら日々草を引く    靖国
〃   休みあけ緑滴る露天風呂       アイ子
〃   新緑を求めて靴もそわそわと     幸代
〃   もこもことこわい緑と出会う駅     橋 節子
3点  山深く緑の中に身をしづめ       広子
〃   新緑のトンネル抜けて札所待つ   芳子
4点  新緑のマイナスイオン踊ってる    敦子
      ☆新緑のマイナスイオン踊っている
6点  緑の葉いやされたくてそっと触れ   文子
7点  緑なすあの黒髪はいま何処に    宏之
〃   散歩みち緑のシャワーひとりじめ   みさ子
8点  老木も新緑もえて風が吹く      恵美子
〃   花みちて包む緑はわき役に      紀代
11点 豆ごはん緑うれしく箸すすむ     悦子
12点 わたしここ緑の中に花の咲く     やえこ