KIMの電気リポート3

人工接地試験  [REPORT3−3]  電気技術者の投稿から抜粋


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1.ぢゅんさん  電験道場[実務の伝言板]2001年10月28日(日)
    人工地絡試験とわ。
6kV配電線系統でのRy整定は計算でできない(配電線は非接地系統であるため,地絡電流は全て配電線の C分にて供給されるため)・・・ということをまず頭に置いてください。
    Ry整定を計算で出せないなら実際に事故を模擬して整定しちゃおう!というのが、 DG試験のコンセプトです。回路としては,整定したい線路へ、接地棒→遮断器→変圧器→変圧器2次側へ可 変抵抗器→接地とします。
    では実際の試験手順は・・・

1.回線へ接地つける。
2.抵抗最大(当社では1次換算14000Ω)
3.遮断器投入。
4.2000Ωづつ下げて,各地絡電流値測定。
5.6200Ωにて64V1整定。
6.6000Ωにて64V2整定。
7.整定値確認。(一度Ry復帰させて抵抗を下げていく)
8.4000Ωにて地絡電流確認。(地絡抵抗が低いためなるべく早く確認)
9.抵抗最大・試験CB開放。

    ・・・以上がバンク特性です。
    この他にもうひとつ、フィーダ特性試験があります。 これは、67G(地絡方向Ry)の整定です。やり方はほとんど同じですが,回路の 一番最後にZCTを通してから接地をつける。これは省略しておきますが、どうしても知りたかったら、 言ってください。ここたまに覗きにきますんで。
    ちなみに、64V1+67Gで、事故配電線のCBトリップ。64V2+7秒で各 配電線CB順次トリップ。(10Gといいます)詳しく書くとすごい量になりますが、わかれば単純です。
こんなもんでいかがっしょ?


2.ぢゅんさん  電験道場[実務の伝言板]−2001年10月28日(日)
    ・・・やはり人工地絡試験フィーダ特性についても書いときましょうか。
バンク特性のほうは,下に書いておきましたんでご一読を・・・。
それを踏まえまして,フィーダ特性に行きます。
    まず、フィーダ特性とはなんぞや?といいますと、簡単に言えば67G(地絡方向 Ry)の整定の話です。
この試験も64の時と同様,各回線に人工的に地絡を模擬して,整定します。67GはV0ではなく, I0 での整定となります。基本は一緒ですが・・・。
では実際の試験手順です。
    回路は

 回線→接地棒→遮断器→変圧器→変圧器2次に可変抵抗→ZCT くぐって→接地

となります。バンク特性と違う点はZCTをくぐるところです。この辺の詳しい説明は、図面書かない と無理なのではしょります。簡単に言うと、ケーブルヘッド側に接地をつけるので,いったんキャンセルされ たI0をもう一度ZCTに入れ,事故電流を検出できるようにする。ということで・・・。

1.回線に接地つける(CBは開放)
2.抵抗最大確認,試験CB投入
3.可変抵抗にて1次換算6100Ωに設定し,I0整定。
4.整定値確認
5.抵抗最大・試験CB開放
次の相へ接地付け替え
繰り返し・・・
ここで、整定値確認し,6100Ω以下でも動作しないようなら,6100Ωで再整定
6.整定値確認
7.抵抗最大・試験CB開放
8.接地付け替え次の相へ・・・
次の相にて、整定確認したところ8000Ωで動作したとすると、電流値を確認し,
9.抵抗最大・試験CB開放
そして,整定値の基準が2相目になっているので,1相目の整定確認を行います。

    各相ごとに整定できればいいんですが、整定レバーは3相一括ですので,しょうが ないですね。一応64側は各相6200Ωに整定されていますので,8000Ωで67Gが動作していても、 CBトリップはしません(64+67Gで動作のため)
ちなみに、この再整定をなるべくなくすためにバンク特性にて,2000づつ下げて,各I0を 測定しているわけです。
これで、DG試験終了です。

    大体3バンクで丸1日かかります。 試験自体はすぐ終わりますが,配電線の正規系統切換,試験準備,Ryロック等が 大変です。 嫌いな試験のひとつです。
    新入社員の頃は接地つけばかりやらされました。Cubはとても狭いので,盤に 接触し,完全地絡させてしまったこともあります。(隣の回線なら,短絡事故→トリップです。危ない危ない) 以上。


3.3400さん  電験道場[実務の伝言板]2001年9月13日(木)
    こんばんは、楽しく見させて頂いていましたら人工接地試験の事が以前の書き込み にのっていましたので解る範囲で書いてみます。
    電力会社では6kV配電線の地絡検出感度を6kΩになるように64(地絡過電圧継電器) の電圧整定を調整します。検出感度は変電所バンクの対地静電容量で決定しますので、模擬的に変電所の母線 で人工接地試験を行います。(非接地系等の弱点?)

    人工接地試験の周期は
         1.定期試験(需要家等の対地静電容量の変化あり)約3年
         2.配電線の系統変更や増設による対地静電容量の変化

6kΩの検出感度を維持するために行います。(6kΩの根拠は不必要停電の防止と感電時の被害から決まっている ようです)
    電力会社が需要家に連絡したのは、発電機を系統連系する場合はガイドラインで 64(地絡過電圧継電器)+タイマー でトッリプする回路が定められており、以前、k西電力で人工接地試験を 行ったとき某病院が64トリップし、新聞に載ったことがあるそうです。
    たぶん、64トリップ回路があると思い連絡されたのではないでしょうか?


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