高橋尚子さん
   8時起床。一番ゆっくり。8時20分に朝食。9時にホテルを出発。運転手は前川さん、車は一緒。同じ場所の座席に座る。初めて観光だけの日。車は西に向かう。シドニーから西に100qにある世界遺産で国立公園のブルーマウンテン行き。段取りはみんなお任せで、詳しいことは何も分かっていない。途中で、道にブルーラインが現れてきた。シドニーオリンピックのマラソンコース。競技場に向かう道を走っている。途中、どこかで見た光景が現れた。谷に向かう坂道。そうだ!Qちゃん・高橋尚子さんがサングラスを投げ捨ててスパートをした場所だ。坂道はテレビで見た感じより急だ。
    1人感慨にふけっていると、オリンピック公園の表示があり、スタジアムが見えてきた。車の中から見て通り過ぎるのか、と思っていると止まった。何かイベントがあるらしく人は動いている。オモチャの汽車も人を乗せて走っている。スタジアムはひっそりしていた。オリンピックで使われた聖火台がスタジアム前の広場に置かれ噴水と化している。側に近づくと濡れる。噴水を中心に金・銀・銅の色をしたテープ状のものがクロスしながら放射状に張ってある。シドニーオリンピックのメダリストの名前・競技・国が刻印してあるプレートだ。田村亮子さんや高橋尚子さんを夢中で探す。まち・ゆきはオーストラリアの英雄イアン・ソープを探している。他の観光客は誰もいない。やっと探して写真やビデオに収める。イアン・ソープが見つからないと騒いでいる。表示はソープ・イアンと分かって大笑い。まだ、この場所は余り知られていないようだ。

ブルーマウンテン
    今日は時間に追われる事もないので、のんびりとまた車に乗って西に行く。オリンピック公園は産廃場の跡地。ブルーマウンテンまで半分ぐらい行ったグレンブロックでトイレ休憩。案内板を見るとカトゥンバまでトイレの表示はない。売店で水を買うように勧められる。500?_gで1.5ドル。夏のシドニーでは必需品。前川さんも買っている。車の中でブルーマウンテンのアボリジニの余りにも有名なスリー・シスターズの伝説を聞く。車は段々標高の高いところへ登っていく。途中、貨物列車と並行して走る。石炭を積みに行く列車で専用の貨車を50両ぐらい連結している。日本にも輸出されている。今は露天掘りだそうだ。所々に無人駅がある。どの駅も似ていたが、ホームに駅舎が建っている。
    カトゥンバに入ってきた。1000メートルを超えた山道を行くと大きな岩がある。余り知られていないビューポイントで道が狭くて険しい。4駆しか無理で、バスツアーでは来ることのできない場所だ。駐車場もなく道ばたに駐車。入れ替わりに1組帰って行った。その後、他の観光客は来ない。低木が繁り高山の様子。前川さんからマジの忠告。
  「岩から落ちたら、どうすることもできないので気をつけてください」
崖の下には車が3台転がっている。ユーカリの葉が出すガスで山がブルーに見えるとのこと。ちなみにこのガスには催眠作用があり、そのためにコアラはいつも眠っているんだそうだ。世界遺産に登録されるだけあって、神秘さ、気を感じる。ブルーマウンテンでは、ここからの眺めが一番よかった。

スリーシスターズ
    前川さんの案内のままにスリーシスターズ伝説の岩が間近に見られるエコーポイントへ車で移動。すぐ近くだったが、ここは観光地として整備されており、色々な国の人が大勢来ていた。土産物屋、食堂もある。小雨がぱらつきだしたので車に積んである傘を借りて歩く。エコーポイントというのでまち・ゆきと3人で叫ぶが、何も帰ってこない。朝がいいそうだ。みすぐは前川さんから
 「日本語で言うと英語で帰ってくる」
と言われ、やっていたが、そんなのあるわけ無い。アボリジニの老人が楽器をもってジッと座っている。写真を撮るとお金を要求されるとのこと。傘を差して景色を見ていると、見知らぬ外国の老婦人が近づいてきたので、傘に入れてあげる。ほとんど言葉は交わさなかった。景色に見とれていた。

楓風館
   雨も上がり、 昼食はまた車に乗って、すぐ近くの中華料理楓風館(Katoomba Canton Palace)へ行く。コースについている。手配する旅行社によって昼食の場所が決まっているらしい。価格が10ドルなので余り期待していなかった。予約テーブルにはお茶とごはんがジャーで置いてある。町の一般的な食堂の感じ。サラダから始まってスープ、青梗菜と木耳の炒め物、牛肉、豚肉、鶏肉、魚、果物だった。久しぶりの白米のご飯なのでお代わりをしていた。決して高級感はないがそこそこおいしかった。満腹。

シーニック・ワールド
   車でブルーマウンテン観光の目玉シーニック・ワールドへ移動。この場所はかってカトゥンバ炭坑の本部があったところで、谷底から石炭を運び上げていたトロッコが始まりだそうだ。ビジターマップは日本語だった。ガイドの前川さんまかせの1日。シーニック・レイルウエイで谷底に下る。トロッコ列車で、天井に金網が張ってある。最大斜度52度というのは世界一だそうだ。すぐにトンネルが見えている。スピードがゆっくりなので防御のベルトも何もない。ゆっくりと走り出し、あっという間に550メートル走り谷底に付いた。
  谷底は木を敷き詰めた遊歩道があり、シーニック・セレンダーの乗り場まで歩く。歩き始めてすぐに旧式のレイルウエイの車両がありマウンティン・デヴィルと呼ばれていたそうだ。今のより簡素な作りでちょっと怖そう。遊歩道のまわりには、かって石炭を掘り出していた炭坑の抗口がある。石炭掘りの模様をジオラマで再現したり、手彫り時代の道具が展示してある。また、引き上げていたトロッコも遺してあった。ユーカリの木は古くなると、自分で木の皮を剥いでいくそうで、皮が剥がれた老木が見られた。自然保護に関してはとても厳しく注意書きがある。下から眺めるブルーマウンテンもそれなりの趣がある。シーニック・セレンダー(ロープーウエイ)でもとの乗り場へ上がる。

フェザーデール・ワイルドライクパーク
    2時に出発して、シドニー観光の定番となっているフェザーデール・ワイルドライクパークへ向かう。シドニーへの帰り道。真夏の昼下がりだが観光客もそこそこいる。日本人もいた。入り口でワラビーの赤ちゃんを抱かせてくれる。3人が終わって少し躊躇していると、どうぞと手招きしてくれるので参加した。手を指示どおりにすると、そこに乗せてくれる。園内に入る。真夏で動物たちは元気がない。完全に隔離されているのではなく、触れることもできるようになっている。お目当てはコアラ。
   コアラの前では写真撮影の順番待ち。コアラの機嫌によって、後ろや横を向かれてしまうこともある。ここだけは人だかりをしている。みすぐがコアラの前に行こうとした時、滑って砂利の上に転ぶ。ウォンバットやタスマニアデビルなどがいる。眠っているフクロウの鼻先へ手を持って行くと餌と思って口を開ける、と教えられて2〜3回遊んだ。真夏の昼の動物園。は虫類の建物でエリマキトカゲと見た。くまなく回っている3人と別れて売店をうろつく。クーラーが効いているから。ここで、アボリジニのCDとテープを買った。

スパニッシュ レストラン
    16時に出発してホテルに向かう。車内で今夜の夕食の話となり、前川さんのアドバイスでスペイン料理になる。シドニーは移民の町でリバプール通りにはスペイン料理やタイ料理の店が並んでいるとのこと。お勧めの店へ行くことにする。メニューも紹介してくれた。
    16時40分ホテルに着く。疲れていたので早く、夕食をすませたかった。しかし、意見の食い違いが起こる。押し切った。少しぶらぶらしてから、と思っていたそうだ。疲れ果てているので、酒で元気を出したかった。
    17時過ぎ、店の前で話が付いた。開店5分前なので大丈夫だろうと思い、隣の酒場の方から店にはいるが、時間前と言うことで追い出さされる。店の名前は”TABERUNA"スペイン語で食堂を意味する。17時30分を回ったので、レストランの入り口からはいる。日本人は誰もいない。前川さんのお勧めに従って、小エビのガーリックオイル炒め、ピーマンのピクルスを頼んだつもりがピーマンの替わりにピピのワイン蒸しが来る。飲み物はサンガリアをピッチャーで。そして豪華な海鮮パエリア(2人前)を注文する。パンは付いている。サンガリアで乾杯、この頃は相当疲れていた。エビとピピも分量があり、さらにパエリアを4人で食べたが食べきれないぐらいであった。とてもおいしかった。

黒ビール
   1時間ほどいて、いい気持ちになり元気も出てきたので自由行動。1人でジョージ通りを上りKINOKUNIYA書店に行った。しかし、日曜日の19時に店は休み。ビル全体が休みで、日本人向けの酒場が1軒開いていた。しかたがないので、閉店間際のスーパーを覗いて、ぶらぶらしながらホテルに向かう。ホテルの入り口で3人に出会う。入り口のジューススタンドでジュースを飲んでいた。
   部屋に入りひと息ついた頃、みすぐに「もう、シドニーの町1人で歩けるやろ」とけしかけると、出て行った。20時頃だった。最後の夜は、速やかに休むつもりでいた。しばらくたってもみすぐが帰ってこないのでゆきが心配し始めた頃、帰って来るなり「今から一緒に出かける」と言う。中華街の入り口にある店の前で、カズさんと仲間が飲み会をしているのに出会い、一緒に飲んでいたが「みんな呼んで来い」と言われて呼びに帰ってきたのだ。そうなれば行かずを得まい。寝かかっていたのを着替えて出発。夕立が降っている中、出かけた。
   盛り上がっていた。毎週日曜日は黒ビールを飲む会だそうだ。カズさんは場所を変えて火・木・日と飲んでいるらしい。全員日本人で、私達のことはカズさんから話がしてあったようで、すーっととけ込めた。黒ビールを飲みながら、吉本の新喜劇の話で盛り上がる。トシさんと盛り上がっている時、突然「アクティブスタッフの前でお会いしませんでしたか?」と聞いてきた。その時、気が付いた。直接話はしていないけど親切に教えてくれた青年だ。それから、カズさんも話しに加わってますます大盛り上がり。ちょうどその時、まちとゆきが店の中へ黒ビールを買いに行っていた。店の中はカラオケ大会になっていて超満員。なかなか買えなかったそうだ。トシさん、カズさんと3人で引っかけることにした。帰ってきたので、クイズを形式で話を進めた。最後のあたりで分かった時、予想どおりの大きなリアクションを見せてくれた。全く気が付いていなかった。トシさんは「家族でもないし、アクティブスタッフを尋ねるには不思議だ」と思っていたらしい。3人はけっこうプライベートな事まで聞き込んでいた。
最後に残ったメンバーで写真を撮ってお別れ。楽しい最後の夜になった。
ホテルに着くと23時20分になっていた。

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